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今回ご紹介するのは、クライアント両親の住む母屋に軒を連ねるように計画された平屋の住まい。２５坪＋３坪のロフトという決して広くはない住宅ですが、深い軒下に大きなデッキテラスがある充実した屋外空間や、引戸建具で自由に空間を仕切ることができる開放的な室内など、のびのびと快適に暮らすことができる空間が広がっています。では早速見て行くことにしましょう。
クライアント両親の敷地を分け、両親が住む母屋の隣に計画されたのがこちらの住まい。異なる屋根形状を持つ二つのボリュームが寄り添うように佇む姿が印象的です。この特徴的な屋根形状は、西側に建つ母屋への配慮から導き出されたもの。この南と西へ下がるようにデザインされた屋根の下には、軒の深いL字型の大きなデッキ空間があり、二つの世帯の領域を緩やかにつなぎます。
デッキ空間に向けて大きく開かれたファサードは、明るく開放的な室内を想起させます。深い軒は、夏の強い日差しを避け、冬の暖かな光を取り込むのに有効です。また道路からの視線を気にせずにリビングで時間を過ごすことができるよう、袖壁を設けて視線をうまく遮っています。
２５坪＋３坪のロフトというコンパクトな平屋ですが、LDKを引戸で仕切ることのできる一室空間とすることで、フレキシブルかつ広がりの感じられる空間となっています。こちらはリビングの様子。屋根の勾配をそのまま生かし、梁を表した天井は空間に開放感をもたらします。また、その高さを生かして一部をロフト空間とすることで、スペースの有効活用が成されています。更にこのロフト空間は南北の通風を確保し、朝日を取り込む、光と風の取り込み口ともなっており、快適な住空間を実現する大切な要素となっています。
リビングからデッキおよび庭方向を望みます。杉のフローリングと縁無畳が組み合わされた、モダンながらもどこか古き良き日本家屋を思わせる、ゆったりと落ち着いた雰囲気の空間です。このような床座を想定した広々とした空間でなら、夫婦でのリラックスしたくつろぎ時間や、家族での団らんはもちろん、友人や親せきなど大人数での集まりにもフレキシブルに対応できますね。
デッキとリビング床はフラットな面でつながっており、窓を開放すれば室内外の空間を一体的に使用することができます。ただこれだけ大きな開口が連続していると、その温熱環境が心配になる方もいるかもしれません。こちらの家づくりにあたって建築家は遮熱性と断熱性に優れたLow-eガラスを採用し、また屋根裏と基礎にも十分な断熱を施しました。そのため年間を通して快適な生活を送ることができます。また右手に見えるTV台は移動させることができ、また引戸建具によっても空間をさまざまに仕切ることができるため、家族の成長に住まいを対応させていくことが可能です。
【平屋については、こちらの記事でも紹介しています】
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