スタイルによって変えたい!和室の照明

Aya F. Aya F.
黒船来航より160年の時を刻み、そして未来へ住み継がれる, 吉田建築計画事務所 吉田建築計画事務所 Media room
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和室は、最近の住宅では減りつつあるといいますが、それでも家を新築する際に一部屋は畳の部屋にしたい、と希望される方も多いと聞きます。その中で、伝統的なスタイルの和室を選択する人もいれば、隣接する部屋との雰囲気から和モダンスタイルにする人もいますよね。それぞれ雰囲気が違う空間だからこそ、照明には気を付けたいもの。どんなスタイルに、どんな照明が合うのでしょうか。今回は和室の照明をスタイルごとにご紹介します。

伝統的な和室には伝統的な形の照明

昔ながらのスタイルを維持した和室って、美しいですよね。現代では家全体が純和風に作られることが少ないこともあり、畳の部屋がいくつも連なる形はなかなか見かけなくなりました。こちらのお宅は160年も昔に建てられた古民家を再生したもの。こちらの部屋では、柱と鴨居以外は新材が使われていますが、建てられた当初のデザインを忠実に再現されたそうです。襖を開け放つと各部屋が見える間取りですが、照明のデザインは統一されており、ぼんぼりを思わせるような和の形。この内装との取り合わせ、見ていてほっとしますね。

個性的な遊びのある和室にはシンプルな照明

最近の新築住宅でよく見かけるのが、純和風のスタイルにアレンジを加えた和モダンスタイル。モダンなデザインをどこまで加味するかによって、伝統的なスタイルが見える形で残るかが決まってきます。こちらのお宅は京都の建築家・有限会社Teamworksの手による舞双庵。京町屋の要素を取り入れて作られたお宅です。純和風でありながら、そのデザインにちょっと遊びを加えています。市松模様を思わせる襖がとても大胆。ライティングは天井の真ん中に埋め込まれるような形になっているため、とてもシンプルで格子柄をそこかしこに取り入れた空間を引き立てています。

和モダンには和モダン風なライティング

こちらの畳の間では、縁なしの畳に床の間を思わせるような低い棚が設えてあります。窓は高く、天井は焼杉のような濃い色の木調で、モダンなシーリングライトが。モダンなテイストが強めのこちらでは、手元を明るくするためのライトが置かれています。そのデザインはまるで移動式の障子の小窓といった風情。障子越しのほのかな光は、そこにたたずむ人に懐かしいような、ほっとするような、居心地の良い空間を提供してくれています。

トラディショナルな形も色の組み合わせでぐっとモダンに

モダンなテイストが濃くなると、照明の選び方もまた変わってきます。こちらは、外装はガルバリウムの波板張り、内装は真っ白なモダンなお宅です。この一室をなす畳の間も、もちろんモダン度の高いデザイン。真っ白の壁に畳は縁なしで、空間の一部は緩やかな曲線を描いています。こちらの照明は、まん丸い籠のような形のランプシェイドが取り入れられています。形としてはとても和風ですが、色が黒。壁の白に強いコントラストをもたらしています。和の形も、色によってモダンになるという良い例ですね。

自然光と小さな和紙のランプで昔に思いをはせる

L字型に窓が切られているこちらの和室は、縁のある畳にフラットな板の間が壁に配されており、窓側に付けられた障子は大き目の格子でできています。全体的にミニマルでとてもシンプルな雰囲気が、和風とも和モダンともとれますね。こちらの照明はシーリングライトが部屋の隅と中央とにあるだけで、あとは床置きされた読書灯がほのかな光を放っています。敢えて煌々と照らし出さないことで、電気がないころのように自然な明かりを楽しめる空間となっているようです。

洋風リビングの一角にある和室なら洋風なランプで空間をつなぐ

お部屋の間取りによっては、リビングのそばに和室を配置することもよくあるようです。こちらのお宅でもフローリングのリビングにソファが置かれていて、その隣接するスペースが和室となっています。縁なし正方形の琉球畳は、見た目にもとてもモダン。壁の色も濃い茶色が取り入れられているため、よりスタイリッシュな印象です。和室とリビングとの間の障子を開け放っておくことが多い場合、一つの空間としてコーディネートするとまとまりが生まれます。和室の照明をこちらのように洋風っぽい形状にすることで、和でありながら洋の趣を強く出すことができます。

和の空間についてはこちらの記事でも紹介しています。

和室に生きる和の伝統。その魅力を徹底解剖! 

ふすまのデザインまとめ集 

縁側まとめ

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