平凡な壁から機能を持った壁へ!

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へこみとふくらみ, ディンプル建築設計事務所 ディンプル建築設計事務所 Modern living room Synthetic Brown
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住宅の中で空間と空間を区切るものを「間仕切り壁」なんて呼びますよね。ただ必要に応じた空間を囲うだけのモノが一般に知られている壁です。そんな壁が少しひねりを効かせるとどんな空間が生まれるのでしょうか。「当たり前」ちょっと崩してみると新たな発見がありそうです。今回ご紹介したいのは、とある集合住宅、一住戸のリノベーションです。限られた空間をどんなふうに造り替え新たな快適な空間をつくるのでしょう。ディンプル建築設計事務所が手掛けたこちらの住まいは、「間仕切り壁」の新しいカタチを活かした快適な住空間です。ただ垂直に空間を区切るだけが間仕切り壁の機能ではないようです。その新しい間仕切り壁のある住まいをご紹介しましょう。

湾曲する壁のあるダイニング

ロケーションは神奈川県の湘南海岸を臨むちょっぴり贅沢な集合住宅の一室。全体的に白を基調にした淡い印象のあるリビング・ダイニング空間です。目にとびこむのは個性的な湾曲した間仕切り壁。一般的なマンションには見ることのできない、機能的な効果もあります。その空間を広く見せるだけに限らず、人が5人ほど座れるベンチ、間仕切りの上部にある間接照明によって夜には包まれるような柔らかな雰囲気を感じさせてくれます。

壁に腰掛ける

愛猫が登ったり下りたり、キャットタワーのような効果もあるかもしれません。ソファのように間仕切り壁に腰を掛けるって不思議な感覚ですが、とっても便利。和風でも洋風でもないそのフォルムはインテリアとしてもしっくり収まります。窪みにお気に入りのクッションやブランケットなどを置けば、好きなテイストの雰囲気へと変貌させることもカンタン。

空間に広がりを感じる

ダイニング入口から最も離れた位置から見渡す室内。「当たり前」の間仕切りだったら見通すことの出来ない位置ですが、その湾曲した壁によって入口はもちろん、空間に広がりを感じることができます。限られた空間を広く見せる斬新なアイデアです。空間を広く見せつつも、対面の壁には大容量の壁面収納を設けるなど、メリハリのあるスッキリとした住空間です。

反面も活きる空間

湾曲した間仕切り壁の反対側は和室の壁面です。和室空間では比較的目線の低くなる用途から、その湾曲を活かした、下部はシンプルでインパクトのある床の間として、上部は小物などの収納スペースへと活用。その湾曲も空間にマッチしてしまうと、故意なのか不意なのか、上品で洗練されたデザインのようです。まさに和室空間にぴったりな機能を持った間仕切り壁です。

視界が広がる空間

夕景の中のダイニング空間。スポットライトを壁面に当てたり、間仕切り壁の間接照明など、空間を柔らかく温かく包む明るさです。マンションともあって近隣を見通せるほどの眺めが広がる開口。間仕切りを湾曲させたことによってパノラマビューのような眺めを楽しむことができます。白い壁に木板のフローリングのナチュラルな空間に、インパクトのあるオシャレな壁が単調な空間に面白みを与えてくれるようです。

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