波の音に耳を傾けながら暮らす家

Michiko JUTO Michiko JUTO
FRSW-HOUSE, 門一級建築士事務所 門一級建築士事務所 Modern houses
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太平洋を望むロケーションに家を建てるならどんな家がいいですか?やはりその恵まれた立地を生かして素晴らしい眺望と海の音を楽しめる住宅などいいですよね。 沖縄 に建てられた真っ白な彫刻のような造形がひと際目立つこの住宅、目の前は太平洋が広がります。門一級建築士事務所が手がけた大人の住まい、さっそく見てみましょう。

存在感が増すミニマルな形態

敷地は太平洋に面した場所で目の前を遮るものがなく、どこまでも続く太平洋を一望できる絶好のロケーションにあります。西側は接道しており、閉じた外観でプライバシーに配慮。1階の空洞の部分は駐車スペースとし、飾り気のない潔いデザインがその存在を一層強調するような佇まいです。

どこまでも無駄を削ぎ落とした豊かな空間

主要な生活空間は2階に配置。外観同様、内部も真っ白なデザインで統一しています。左に見えるのはダイニング用のカウンター。奥の壁伝いに設けられたテレビ台はガラスを隔ててテラスまで延長され、ベンチとして機能。内外が融合する空間を演出した粋なアイデアですね。

オブジェのような生活空間

ダイニングとキッチンを見てみましょう。テーブルは大きなカウンターといった感じですね。左側に付いているのは水道でしょうか。あくまでも無駄を削ぎ落としたデザインが緊張感を生み、生活そのものをビビッドなものにしてくれる詩的な住空間が素敵ですよね。

生活感を隠せるアイデア

実はこの家のキッチンはフラッシュパネルの開閉によって現れたり隠れたりするんです。コンパクトで使いやすいキッチンは、使わないときは扉を閉めることで生活感を消し去り、シンプルな空間へと変化。LDKが一体化していてもこういったアイデアによって余計なものが目に触れることなく、眺望だけを楽しめそうですよね。

絶景を望むキッチン

とは言っても、料理は生活する上で欠かせないもの。この家の中で一番眺めの良い位置に配置されたキッチンは、クライアントの旦那様から奥様への粋な配慮であり、感謝の気持ちだそうです。こんな眺望を望めるキッチン、然う然うないですよね。天井まである大きな開口が、刻々と変化する雄大な太平洋の姿を室内に取り込んでくれます。真っ白な建築によって切り取られるその自然の風景が際立ちます。「キッチンからの絶景は圧巻!伊豆山に建つ家」も太平洋の眺めが芝らしいんです。是非参考にどうぞ。

造作によるたっぷりの収納

寝室も白で統一し、ミニマルな内部空間を演出。壁際のたっぷりとした収納に全てを隠しておけそうですね。家具等も必要なものだけをチョイスしてコーディネート。そうすることでゆったりとしたライフスタイルが生まれ、海の眺めや音に五感を傾けた豊かな日常生活が送れそうですね。

時間を忘れさせてくれるテラス

3階にはテラスを配置。なるべく眺望を邪魔しないようにワイヤーのみの手摺を設置したまさに大人の空間です。日射しや急な雨に見舞われるこの地方ではそういった自然環境にも対処しなければなりません。軒の深いテラスが日射しを調節し、雨の日でもこの半屋外空間で過ごせるようになっています。

波の音をBGMに入浴

浴室からももちろん太平洋が一望できます。直接テラスに出られるように掃き出し窓を設置。人目を気にせず大きく開いておけるのが嬉しいですよね。浴槽は半分埋め込んでいるので、座った時にちょうど良い目線で海が眺められ、波の音を聞きながら入浴だなんて素敵ですよね。

お洒落な梯子はまるでアートのよう

移動空間である階段や屋上に続く梯子などは黒で統一し、真っ白な抽象的な住空間にメリハリをもたらしています。スタイリッシュなスチール製の梯子、まるでアート作品のようです。

夜の帳が降りる頃

日が暮れると室内の灯りで照らされるこの住宅、きっと海側から見たら幽玄な佇まいを見せるのでしょう。間接照明によって程よく照らされる室内、しっとりと落ち着いた雰囲気は静かな大人の時間を演出してくれます。柔らかな色合いの床タイルとカウンターがテラスまで続き、まるで室内が海と一体化するような錯覚さえ体感できる住まい、無駄を削ぎ落としたシンプルな設計だからこそ、可能なのかもしれません。

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