水のある庭、手水鉢に感じる風情7事例

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緑と潤いあふれる日陰の庭 2013~, にわいろSTYLE にわいろSTYLE Eclectic style garden
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日本の文化には蒸し暑い夏を逆手にとって、楽しく過ごすための工夫が至る場面に凝らされているようです。例えば鑑賞を主体とした和風の庭には、夏の暑さを忘れさせるかのような水のある風景に清涼感や風情を感じますよね。そこで今回は和風の庭を演出する素材として涼しげな水を飾るような、手水鉢(ちょうずばち)のあるお庭をご紹介いたします。手水鉢(ちょうずばち)とは元々、神前や仏前で口をすすぎ、身を清めるための水を確保するための器のこと。そして茶の湯にも取り入れられ、露地の中に置かれるようになり、つくばいとはそれが独自に発達した様式だと言われています。今回は、現代生活とも合致するような、身近で品のある手水鉢の事例集めてみました。

つくばいとは?

つくばいとは、茶室のある日本庭園に置かれる、石をの手水鉢(ちょうずばち)などのことを指します。つくばいとは、しゃがんで使う「つくばう」ということからその名がつけられています。本格的なつくばいとは、「前石」「手燭石」「湯桶石」「水門」がそろうことで認められるのが一般的です。もともとは茶室に入る前に手を清めるために作られたものですが和の趣を演出できる小道具として庭に設置されることが多くなりました。


「住まいの写真」ページでは様々な種類の庭を紹介しています。◀

※ の写真ページ

事例1:木洩れ日の中の手水鉢(ちょうずばち)

こちらは住宅の庭などの造園を行うにわいろSTYLEが手がけた庭。そこに置かれたのは黒の玉石に囲まれた手水鉢。周辺の青々として瑞々しい植栽との兼ね合いも絶妙に交差しながら涼しさを醸し出しています。寄り添うように佇む前石も同様に周辺植栽に包まれるかのようです。日陰に隠れた蹲(つくばい)は暑い日差しをよけながら木洩れ日の中でキラキラ水を反射させれば、見る者へ心地よい清涼感を与えてくれます。


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事例2:植栽とのバランス

数寄屋門からアプローチするこちらの蹲(つくばい)。背の高い植栽に囲まれ、大きめのどっしりとした手水鉢はその存在感すら堂々たるものです。低木、中木、高木など異なる植栽からなる周辺の緑に奥行を感じます。そして手水鉢(ちょうずばち)へ水を引く竹の筧(カケヒ)は添景物として名脇役ですね。その筧から流れ落ちる水音は日本の蒸し暑さに対抗できる道具の一つではないでしょうか。


【住まいづくりついては、こちらの記事でも紹介しています】

 環境に配慮した優しい建築のまとめ

事例3:モダンな雰囲気と

細い中木の足元に水鉢、全体的にモダンな雰囲気を持つ水のある風景です。コントラストの効いた建物の外壁と黒く渋い水鉢は現代風なスタイルです。そして、少し粋な角度で斜めに配置される飛び石と脇から映える芝は、より小洒落た雰囲気に庭を仕上げます。和の趣をプラスしながらこじんまりとしたスペースですが存分に粋な品格を楽しむできる庭です。

事例4:苔と岩の演出

生い茂る植栽の中にたたずむ手水鉢のある風景。荒々しい岩肌の景石が囲むその水鉢は、四角く、井桁のように組まれているようです。そして前石の上に立てばその全体を見渡すことができ、まるでそこは小さな森のよう。低木などの植栽の足元や飛び石の周りに生える苔は涼しさを増す演出のように緑深く生き生きとしています。

事例5:石畳のアプローチ

贅沢に広がる石畳。その脇にあるのは自然石のようなユニークな形の手水鉢です。石の筧に加え全体的に石の質感が楽しめる風景です。石の表情豊かな庭園は高木の個性あふれるフォルムと一体となって、躍動感があります。風の揺れを感じながら、筧の水の音、水にぬれた石の表面から、涼しげな風情を醸し出します。

事例6:竹垣とのコンビネーション

こちらは竹垣の色調が印象的な和風の庭です。竹垣の向こうに見える控えめなこぶりの蹲(つくばい)は大小さまざまな景石に囲まれてゆっくりと手水鉢までアプローチするかのようです。竹垣のインパクトのある色調は小道に敷き詰められた砂利と同調して柔らかい雰囲気があります。奥に見える花を付けた植栽は四季は移ろい賑わう庭園です。

いずれも和の風情が楽しめる水のある庭です。日本の夏の蒸し暑さも日本独特の感性による楽しみ方で吹き飛ばしたいものです。

【和の庭園については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 坪庭のメリット・デメリット

事例7: 浴室からの和の眺め

こちらの浴室から眺められる坪庭は、蹲、飛石、2種類の玉砂利に、縁起が良いとされる蛙を置いて、小さいながら雰囲気に溢れる坪庭を設えています。まるで宿のような浴室から眺められる落ち着いた純和風の坪庭は日々のバスタイムを優雅な時間に変えてくれます。


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