ペットを飼っている方にとっては愛犬や愛猫にとってもストレスのない快適な住まいになってほしいと思います。当然ながら人とは異なる習慣や習性を持っているので、彼らにとっても家を居心地の良い場所にしていくには様々な点を考慮しながら家の間取りやデザインを決めていく必要があります。そこで今回は、ペットとの快適な暮らしを実現するための家づくりのポイントについて詳しく見ていきたいと思います。
ペットを飼っていると気付くことがあると思いますが、小さな子どもの場合と同様に家の中には犬や猫にとって危険な場所が多々あります。刃物や火気を扱うキッチンや、手すりの隙間が大きなベランダ、水の入った浴槽やペットが飛び出す可能性のある玄関といった場所がそうです。そうした箇所にはペットフェンスやパネルを用いて、まずしっかりとペットが危険な目に遭わないように工夫をしていきましょう。
飼い主と一緒にいることが多い犬や猫でも、食事やトイレの時は一人を好むものだと思います。そうしたことから、家の間取りを考えていく際はエサや飲み水を置くスペースやトイレの場所を確保しておきましょう。その際、家の中の動線から外れたスペースにそうしたものを配置すれば、犬や猫にとって安心して食事やトイレを済ませることができるようになります。動線については、「動線を考えていく上でのポイントまとめ」も是非参考にしてみて下さい。
写真:sasakura yohei
ペットを飼っている家庭で一番に考えておきたいのが床です。ワックスでツヤツヤのフローリングでは犬や猫にとって滑りやすくなってしまいますので、コルク材など犬や猫にとってやさしい床材を選んでいきましょう。また、犬にとっては玄関ポーチや階段などの段差も椎間板ヘルニアなどの原因となってしまう可能性があるため、緩やかな勾配の段差としたり、スロープにするなどの対策を講じてみて下さい。
写真:シキナミカズヤ建築研究所
散歩が必要な犬を持つ家庭の場合、玄関や勝手口といった散歩の際の出入り口に蛇口があると汚れた足をそこで洗いすぐに室内へ入っていけるため、飼い主にとってもストレスなく家の中をきれいに保つことができますし、犬にとっても楽になるはずです。また、散歩だけでなく、庭で遊ばせた際にもそこですぐに洗うことができれば、より外で遊ばせやすい環境を整えてあげられることにもつながります。
写真:シキナミカズヤ建築研究所
猫を飼っている方はすでにご存知だと思いますが、猫は高い所を好み、縦方向も含めた立体的な動きを必要とします。そうしたことから、猫のいる住まいでは猫が高い場所まで登っていけるような板などを設けていきましょう。こちらの株式会社アンドロッジが手掛けた家具のように、本棚や机の延長として、さらには部屋の間仕切りとしてなど猫だけでなく飼い主にとっても室内での暮らしの幅を広げてくれるような工夫をしてみてはいかがでしょうか。