パントリーってご存知ですか?食料品や飲み物、調理器具などを収納、保存する小部屋のことで、最近ではキッチンまわりに配置された、食料やキッチン器具などをストックする場所もパントリーと呼ばれるようになりました。家族が多かったり、来客の頻繁にあったりするお宅では、こうした食料貯蔵庫が広々とあると、いざという時にも対応がしやすくて便利ですね。近年頻発する地震や災害などに備えた買い置きをされている方も多いと思いますが、そういったときにもとても便利。今日はパントリー収納について考えます。
パントリーは、キッチンそばの小部屋に作りつけられることが多いですが、日本の住宅事情では、食料のための収納を個別に作るのはちょっと難しいかも。キッチンの周辺のスペースを上手に使うことが大切になってきます。ダイニングとキッチンが隣り合うお宅では、ダイニングスペースを利用してみてはいかがでしょうか?こちらは、埼玉の建築家・H2O設計室の手によるもの。広々としたダイニングキッチンの壁面に、天井まで届くほどの収納スペースが。上の棚は見せる収納、下は隠す収納でおしゃれで個性的なインテリアになっています。
食糧庫は必要だけれど、たくさん収納できながらもしっかりと隠してキッチンをすっきりと見せたい、というのであれば、こちらのような棚がおすすめです。キッチンの一角の棚をごっそりパントリースペースに。こまごまとしたものは扉の裏に取り付けられた棚にすっきり納め、保存食の瓶やパッケージにちょうど良い高さの棚板がアレンジされているため、充分にスペースが活用できそうですね。扉を閉めると、統一されたデザインゆえにいつも片付いた印象のキッチンに。
買い置き主義で広々とした家ならば、パントリーとして小ぢんまりとした部屋を一つ作るのも便利です。食糧庫にする場所は、直射日光が入らない北や東向きの場所を選ぶのがベスト。窓がある場合は、日差しをよける工夫をしましょう。ひんやりとした部屋ならば、ワインセラーとしても使えていいですね。こちらのように、壁掛け型の棚を作りつけると物もたくさん収納できます。通気のよい籠を取り付けると、野菜の保存にもよさそうです。
コンパクトなキッチンでは、たくさん収納したくてもなかなか難しいもの。必要なものも、きちんと片付けられないと雑多に見えてしまうので注意が必要です。こちらはダイニングテーブルと一体化したオープンキッチン。コンパクトなスペースにしっかりものを収納すべく、キッチンと同じ横幅の棚が作りつけられています。奥行きもあり、天井まで棚があるため、使用頻度によって物が収められて便利ですね。引き戸を閉めるとすっきりと見せることができるため、来客時にも安心です。
食料品は、パッケージの大きさもデザインもまちまちなので、買ったまま棚に仕舞うととてもごちゃごちゃした印象になりがち。収納もしづらいですし、うまくしないと量も入りきれなかったりしますよね。そんな食料棚には、同じ形の収納容器で統一感を出すと、見た目にもすっきりとミニマルな印象になります。こちらでは、同じ形の木のボックス、籐のかごの引き出し、同じ素材とデザインで揃えたガラスや陶器の容器が使われていて、統制のとれたパントリーになっていますね。
Photo: 本多康司 / 本多康司写真事務所
パントリーについては、こちらの記事でも紹介しています。